デイサービスでレクリエーション時間はどのくらいあるでしょうか。
かもめの勤める施設では、1時間のレクリエーション枠が1回と、30分のレクリエーション枠が1回あります。
1時間の枠では集中して取り組んでもらえたり、時間がかかるモノ作りをしていただく事が多いですが、30分の枠では体を動かすゲームをすることが多いです。
しかし、利用者様の中には入浴をされたり、1時間のレクリエーション枠で体を動かすゲームを取り入れると、疲れてしまう方もいらっしゃいます。あぁ、皆あまりレクに乗り気でないなぁ・・・と感じた時に、どうしたら良いでしょうか?
その1つの答えが、見ることがメインで短時間でパッと楽しむ事のできる、出し物系のレクリエーションです。
見るだけだとあまり体力や気力を消耗せず、かつ自然と職員の行っていることに引き込まれて、最終的には楽しんでリフレッシュしていただく、事を目指します。
今日はその中でも、見るだけながら、参加している実感も持てるレクリエーションである、スリーシェルゲームを紹介します。
スリーシェルとは、紙コップとコインなどを使ったゲーム
マジック好きの方なら聞いたことがあるのではないでしょうか。紙コップ3つ・コインなどを使ってどのコップの中ににコインなどが入っているかを当てるゲームです。
本来はマジック(もしくはイカサマらしいです)で、中のコインに仕掛けがあったりするのですが、ここでは、イカサマなしなやり方(誰でもできるように難しいテクニックは使わないやり方)をご紹介します。
レクリエーションとしてどんな効果がある?
スリーシェルはどの紙コップの中に目的の物が入っているかを、ずっと目で追い続けるゲームです。
その為、集中力が鍛えられます。
正解を当てるゲームということで、男性利用者様にも参加してもらいやすいです。
あたった時の達成感や満足感が得られます。
他の利用者様と、答えを言い合ったりして、コミュニケーションが図れます。
コミュニケーションをとる時に笑ったり、お喋りをすることで肺活量が鍛えられたり、リフレッシュすることができます。
また、コミュニケーションがとれ、楽しかった思い出は、生活の質(QOL)を高めます。
注意点!
ボールの入った紙コップをかなり注視することになります。
体を動かさない代わりにかなり集中力を使うゲームなので、本当に疲れている方がおられたら見て楽しんでもらう程度にしてみてください。
また、目をかなり酷使するゲームでもあります。目の疲れを適度に取れるための休憩時間を1回1回の合間に取ります。少し目をつむって、瞑想の声掛けなどもしてみましょう。
また、紙コップをあまりに早く動かしすぎると、動体視力の下がった高齢者の方には目で追うことがかなり難しくなります。
あまりに正解できないと、達成感や満足感を感じられなくなってしまいます。
利用者様の反応を確かめつつ、動かすスピードを調整してみましょう。
そんな中に、急にとてつもなく素早く動かす、と行った刺激を加えると、盛り上がりやすくなります。
まとめ
ゲームを立て続けにしていると、疲れが溜まりやすくなるので、適度な間を設けて利用者様の関心をひきつけたり、お話を盛り込むことで楽しむ時間かつ、休憩の取れるようにしてみましょう。
スリーシェルで遊んでもらおう!
ここからは、実際のやり方の紹介です。
準備物
- 紙コップ(サイズは自由) : 3つ
- 色の薄い柔らかいもの(スポンジの切れ端など) : 1つ
- *紙コップはたいてい白い色なので、中に入れるものの色が薄いと透けて見えます。
*硬いものだと、紙コップを移動させる時に音が激しくなってしまい、度のコップに入っているかバレやすくなります
やり方
①テーブルを一台用意します
②テーブルを中心にして利用者様に半円に座ってもらいます
③テーブルの上に紙コップとスポンジ(白いスポンジを1センチ四方に切ったもの)を用意します

④レクリエーションの挨拶をして今からゲームをすること、ゲームのルールを説明します
⑤軽くアイスブレイクで、顔の表情の体操をします 目の動きの運動も加えると効果的!
⑥紙コップを3つ並べて、真ん中のコップにスポンジを入れます
*利用者様にどのコップに入れたのか、はっきりと分かるようにします

⑦まずはゆっくりコップの位置を水平移動で動かします
*コップが浮かない様に注意します(意外と難しいです)
⑧6~10回くらい動かしたら、どのコップにスポンジが入っているか利用者様に聞いてみます
*最初はわかる方がいるか挙手していただき、反応が薄い時には指名してみます
⑨入っているコップがあたっているか答え合わせをします
⑩あたった方には拍手をして讃えます ハズレた人には罰ゲームとして、目の体操をしてもらっても良いです
⑪ゲームを2~3回繰り返したら、大きめの休憩を取り、感想などを聞きます
⑫休憩後は、割と元気でおられる方に、コップをシャッフルする係を振ってみたら、また利用者様の反応が違ったものになるかもしれません。
⑬最後に深呼吸と伸びをして、目を休めてもらって終わりにします
目を閉じてもらった時にどんな音が聞こえるかに注目してもらうと、リラックスしてもらいやすいです
利用者様の反応は?
普段はのらりくらりとしかレクリエーションに参加されない方も、集中して取り組まれていました。
そして、全部スポンジの入った紙コップを当てられました!!! 純粋にすごい!
(コップをシャッフルしていたかもめが、スポンジの入った紙コップを見失ったことは内緒です)
その後、その方が昔の思い出としてよくこの遊びをやっていたことを語ってくださいました。
だから得意だったんですね!
納得はしたものの、未だに現役で動体視力がしっかりしているのにはびっくりしました。
ちょっとした出し物でも、過去の事を語ってくださるきっかけになり、何事もやって見るものだと思いました。
ちょっとアレンジして本当のマジックに挑戦!
紙コップを使ったマジックで簡単にできるものもあります
やり方は以下の動画を参考にどうぞ! 不器用なかもめでもできました!
実際にやってみて、割と簡単にできるなぁと感じました。
ただし、トリックも簡単な為パズル好きな男性などがいらっしゃったら、割とバレてしまうかもしれません。
そんな時にはバレたことをもネタにして切り抜けましょう!
最後に
出し物系のレクリエーションは準備が大変という印象です。
踊り、うた、楽器演奏、マジック、お芝居、舞などなど、しっかりと見に付けてから人に披露する系は計画を立てて準備していかないと、いい加減な出し物になってしまいます。
その中でも、難しくないもののストックをためておくことで、ちょっとしたレクリエーションの時間調整や、アイスブレイクに取り入れることができるようになります。
一方、練習のたくさん必要となる出し物は、1回準備しておけば繰り返しすることもできます。
芸は身を助ける!
なにか自分にできることをたくさんやってみることは、いつか自分のレベルアップにも確実に活きてきて、オンリーワンの介護職員となる日がやって来ることでしょう!
さあ、レッツトライ!