芸術の秋となりました!
夏の暑さも少しづつ和らいで、虫の音もわずかに聞こえてくるようになりましたね。
少し身体にも心にもゆとりが出てきたところで、芸術を楽しんでもらうレクリエーションはいかがでしょうか?
ここではパステルアートについて紹介したいと思います!
パステルアートって何? → 型紙とパステルを使って描く絵の事です!
パステルアートって初めて聞いた!という方も多いと思います。どんなものか簡単に紹介すると・・・
パステルという画材を粉にして、指やコットンを使って画用紙などに描くアートです。
多くは型紙を使っていて、誰でも簡単に、短時間で完成させることができます。

上の写真はかもめが描いたものです。超絶適当な作品なのですが、パステルの柔らかい色とぼかし具合で作品としてかろうじて出せるかなぁと思い、サンプルとして上げてみました。
かもめは素人ですが、きちんと資格を持って先生として教えておられる方もいます。
かもめ自身は、そういった方があげている動画を見ながら描いてみました。
これだけではちょっと、というかたは、「パステルアート」というワードで検索してみてください。
もっと素敵な作品をたくさん画像で見ることができます。
見ているだけでほっこり😊してきませんか?
レクリエーションとしての効果
指先を使うことで脳を活性化させます。普段しない指の使い方をするので、指の刺激になります。
また、脳をたくさん使うことは認知症の予防や進行の防止の効果が期待できます。
作品を完成させることで達成感を得られます。完成した作品を家に持ち帰り飾ることで家族とのコミュニケーションの促進にもなります。
利用者様同士や職員とのコミュニケーションをとることで、楽しさを感じます。精神活動が活発になるとうつ病などにかかりにくくなります。
また、人と話をすることで呼吸器の機能を維持・向上することができます。
絵を完成させるという目標に向かって、集中力を高めます。一つのことに没頭する楽しさもあります。
柔らかい色をたくさん使い、色の種類も豊富なので、カラーセラピー的な効果があります。
お互いの作品を見合うことで刺激を得ることができます。
注意点!
パステルとは乾燥した顔料を粉末状にして粘着剤で固めた画材のことです。
そのため塗っていると、粉がたくさん出ます。
利用者様の洋服が汚れないように、身体の前にタオルをかけるなどの工夫をして、レクリエーション後の時間にずっと汚れたものを着ている事の無いように気をつけます。
また、粉で手がかなり汚れます。手を汚すことを嫌がられる方に、無理強いしないようにしましょう。
他の方の作品ができあがっていくのを楽しんでもらってもいいし、他の方法で自分の作品を作る事を望む方には、提供しましょう。
一つ一つ完成に近づいていくことが楽しめるレクリエーションです。そのためついつい没頭してしまい、集中力をかなり使っていることがあります。適度に休憩時間を取り、他の方の進行具合など紹介して緊張を取る時間を作りましょう。
パステルアートをやってみよう!
パステルアートは絵のかけない人でも簡単に描くことのできるアートです。
ただし、自己流でする時には少し準備が必要です。それを超えてしまえばきっと利用者様に喜ばれるレクリエーションとなるでしょう。
ここからは、準備などの方法も加えて紹介していきます。
準備物
- パステル : 人数分
*百円均一のダイソーに18色入りのパステルが2種類売っています それで十分です - 画用紙 : 一人1枚で人数分
- 新聞紙 : 一人1枚で人数分
*粉がテーブルに飛び散るので、あらかじめ防御のために敷いておきます - 消しゴム : 二人で1個でカウント
- コットン(指で塗るときは不要) : 人数分 ✕ 3~4枚
- ブラシ : 2~3本
- セロハンテープ : 1巻
- 茶こし(ハサミでも可) : 2~3個
- 型紙 : 画用紙で作る
- *イラストを印刷して、切り抜いても良いです ただし、しっかりとした紙に印刷することをお勧めします(消しゴムなど使っているとすぐに痛みます)
- ヘアスプレー(紙のかたちをキープするもの) : 1個
*できたものをラミネートするなら不要
やり方
まずはこの動画をみてください。
これを見たらパステルアート自体の描き方はバッチリだと思います。
そのため、介護現場でどのように取り入れてみたかを紹介します。
下準備編
①材料を揃えます
②イラストなどを見て、利用者様に描いてもらいたい作品を決めます
③職員でまずは作ってみます 難しい場所があったら確認しておき、フォローに入るようにします
④利用者様分の型紙を切っておきます (初めてする時に、型紙から作っていたら、それだけで時間が終わってしまいます)
⑤絵を描いてもらうための画用紙のサイズを半分にしておきます(A5くらいの大きさがいいと思います)
当日編
①テーブルに新聞紙を引き、材料を各個人分に分けて置いていきます。
②利用者様に各テーブルに着いてもらいます 事前準備の時に描いた見本の絵を見てもらい、今からそれを描くことを説明します
③動画では画用紙を下敷きに貼り付けていましたが、無理に貼る必要は無いです ただし、紙が動きやすくなるので、下に引いた新聞紙でもいいので貼り付けておくと塗りやすいです
④茶こしを用いてパステルを粉にしていきます
⑤コットンや指を使って画用紙にパステルアートをしていきます(動画参照)
*背景色を塗る → 型を使って絵になる部分の背景色を消す → 絵に添った色を塗っていく(大きいところから塗っていく) → 細かいところは最後に塗る
⑥完成しても、そのままだと粉がすぐに剥がれて手についたりしますので、ヘアスプレーを屋外など安全なところで吹き付けて、粉を定着させます(本来ならばフィキサチーフという固定材を使います)
⑦出来た作品に名前を入れて、ホワイトボードなどに貼ってみてお互いの作品の品評会をしてみましょう!
⑧ストレッチや深呼吸で、固まった筋肉を解したり緊張をときます
いかがでしょうか?
当日やることはそんなに大変ではないのですが、事前準備にそれなりに手間がかかります。
ただでさえ忙しい仕事の中、無理に準備のあるパステルアートというレクを取り入れなくてもいいと思います。
でもその分、やってみると作品が完成した時には達成感があります。そしてなにより楽しいです。
利用者様の反応は?
まず、大切なこととして、利用者様の殆どがパステルアートを知らないと思います。
始めはどのような書き方なのか、何を描いていいのか分からず、とまどっておられました。
そのため、かもめは職員自身の手で、見本の作品を作ることを強くお勧めします。
見本と同じものを利用者様に作ってもらっても意味がないじゃないか!と思われるかもしれませんが、はじめはそのほうが難易度が低く、取り組みやすいため、利用者様も安心して参加できます。
それに、見本の作品と全く同じものを作ろうとしても、色使いや、モチーフの配置などで少しづつその方の感性が出てくると思います。
やり方が分かって、どんな作品を作るのか目標が見えてくると、皆さん集中して塗られるようになります。
自分の個性を出そうとされる方、一方では、見本のまんまを作ろうとされる方など様々ですが、塗ることに関してはみな、無心で塗られています。
総評として、初めて取り組んでみた結果、はじめの説明がうまくいかなかったのが駄目でした。
どんな絵を書くことになるのか利用者様に想像が出来なかったため、結果、時間がかかり、1日では完成まで至りませんでした。
ですが、後日この前の作品の続きをやってみたいと言われる方もいらして、好きな人には楽しいと感じられるものであったみたいです。
もちろん人により好きではない方もいらっしゃるので、クラブ活動みたいに好きな人のみ参加という形が良いかと思います。
余談ですが、かもめが施設で行った時は指でパステルを塗っていったため、利用者の皆様の指は色とりどりに・・・。
両手を開いて、 「こんな事になったよ!」 というように、普段とは違ったカラフルな自分の手を見せてくださる方もいらっしゃいました。
パステルを扱うだけでも新鮮だったようです。
最後に
パステルアートと一言で言っても、大きいものだけで流派が3つあるようです。
簡単なものから本格的な絵になると、本当に難しいものまであって、奥が深いです。
また、曼荼羅アートという、パステルで色を塗ったところから、型紙を使って消しゴムで同心円状に消していくことで、曼荼羅のような美しいアートを描くという技法もあるようです。
職員自身も、簡単なものから入り、そのうち本格的な趣味にすることで、日々の仕事の疲れを癒やしてくれるようになります。
なにかに没頭できること、そして何より作品を作ることはとても楽しいですよ!
さあ、レッツトライ!