子供の頃にどんな事をして遊んでいましたか?
デイサービスで働く職員さんの中でも色々な年代の方がいらっしゃると思います。
子供の頃にしていた遊びも年齢や性別、地域で変わってくると思いますが共通していることもあるでしょう。
利用者様の中でも、20~30歳くらいの年齢の幅があると思いますが、ぶんぶんゴマを知っている方は多いと思います。
ここではぶんぶんゴマの作り方や遊び方を紹介します。
ぶんぶんゴマって何? → 紐で通した紙を回すこまのことです
最近の人はあまり見なくなったかもしれません。
ぶんぶんゴマは、基本的に売っているものではなく、自分で遊ぶものです。
かもめの施設の利用者様は「80年前の遊び」と言われていました❗
ぶんぶんゴマとは、中央部に開けた2つの穴に通した紐を引くことで板を高速回転させる伝統的な玩具である。回転時に出る風切り音から、ぶんぶんゴマ、びゅんびゅんゴマ、あるいは松風ごま(まつかぜごま)などと呼ばれている。英語圏では、「Button whirligigs(ボタン ウィリギグ)」、または「ボタンスピナー」ともいう。同様の玩具は先史時代より世界中に広く存在している。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「ぶんぶんゴマ」
コマなので回して遊ぶのですが、床で回す普通のコマとは違い紐をひねって回転させる、回している間手を使う遊びです。
レクリエーションとしての効果・メリット
ぶんぶんゴマを作ること・遊ぶことで以下のような効果・メリットがあります。
- 昔懐かしの玩具のため、利用者様の思い出を語ってもらいやすく、回想療法となります また、その方の過去や考え方に触れるきっかけとなり、理解を深めることになります
- 昔語りをしてくださることで、コミュニケーションの促進につながります また、そこから呼吸器機能の維持・向上を期待できます
- 指を使うレクリエーションなので、脳の活性化につながります
- コマに自分で絵を描いたり作ってもらうことで、出来た時の達成感を得られます
- 絵を書く時にいろいろな色の画材を使うことでカラーセラピーの効果があります
- コマを回す時にはタイミングを見計らう事が必要なため、反射神経を鍛えられます
- 指・腕を使うため運動機能の維持・向上を見込めます
- 楽しいという体験をすることから、生活の質(QOL)を高めます
注意点!
以下の点に気をつけて行ってください!
- 個人によって器用さや好きな事、得意な事は違います。やりたくない方には無理強いせず、他の事を勧めたり、見学してもらったりしましょう。
- 作る時に目打ちを使うため、怪我をしないように管理をしっかりします。穴をあける時は職員が行ったほうがいいと思います。
- 実際に遊ぶ時にコマは高速回転しています。指などで触れるととても危険です。回している方、周りの方共に当たらないように距離を取りましょう。
- 片麻痺の方など色を塗ることに時間がかかる方もおられます。ゆっくりでも良いことをきちんと伝えて、満足のいくものを作ってもらいましょう。
- ぶんぶんゴマを知らない方もおられるかもしれません。どのくらいの時間がかかりそうかを予測することも兼ねて、事前準備として見本を作っておきましょう。
また、実際の遊び方を披露することで参加意欲を高めましょう。 - コマの絵は利用者様の自由な絵で大丈夫ですが、まったくの自由だと帰って困る方がいると思います。ぶんぶんゴマのデザインなどあらかじめ見本としてプリントアウトしておき、参考にしてもらうとスムーズに絵を描いてもらいやすいです。
- 絵を書くことは集中力が必要となります。長時間に渡って描くことに集中されている時には、声をかけて休憩をとってもらいましょう。
- 紐を持って遊んでもらう時にあまりに細い紐だと指が痛くなります。クッションとなる材料を用意しておくといいと思います。
番外編!
コマを回す時の物理的な特性?で、きちんと中心を決めておかないと上手く回すことが出来ません。穴をあける時に職員が手を貸して、中心を決めておきます。中心から5mm離れたところに穴をあけると上手く回りやすいので、そこはしっかりと説明しましょう!
ぶんぶんゴマを作って遊んでみよう!
目打ちなど普段使わないものの準備も必要となってきますが、1回揃えると他の時でも使えます。これを機会に持ってなければ買ってみても良いと思います。
準備物
- 牛乳パック(洗って開いた物) : 人数 ÷ 3 個
- タコ糸 : 一巻き
- サインペン : 人数分(数人で共有しても良い)
- 目打ち : 人数により1~5本
- ハサミ : 人数により1~5本
- ノリ : 人数により1~5本

*牛乳パックは事前準備として洗って乾かし、開いて約7cm四方に切っておくと、スムーズに進める事ができます。
やり方
ぶんぶんゴマの作り方
①牛乳パックを正方形に切り取ります。同じものを一人に付き3枚用意します


②白い面が両側に出るようにして、3枚をノリで張り合わせます。
③紙の中心を見つけて、印をつけます。(対角線を引いたら中心が見つかります。)

④中心から5mmづつ離れたところに穴を開けます。穴は中心を挟んで一直線になる位置に開けます。


⑤両面に思い思いの絵を描いてみます。幾何学模様やただ塗りつぶすだけでも構いません。

⑥絵をかけたら、④で開けた穴に紐を通します。一周したら紐の端と端を結びます。

⑦完成!さあ、遊びましょう!
ぶんぶんゴマの遊び方
①コマを中心にして、両手で紐を持ちます。
②両手を軽く回し、コマにつながっている紐をねじっていきます。25回位ねじるのがいいそうです!
③両手を広げてコマを回します。紐のねじれが完全に無くなる前に両手を緩めると、逆向きに紐がねじれていきます。
④再び紐がしっかりねじれたら、両手を広げて反対周りにコマを回します。
⑤以上を繰り返します。タイミングよく回し続けていると、「ブーンブーン」コマが風を切って回るようになります。音を楽しんだり、自分の書いた絵が、回転している時にどのように見えるか楽しんだりしましょう。
⑥他の方の作品も、回っている時、静止している時両方見て楽しみます。
⑦遊び終わったあと、感想を聞いたり、作りながらでも昔の思い出を聞いてみましょう。活き活きと語ってくださいます😊
⑧最後にストレッチや深呼吸をしてリラックスしましょう。
利用者様の反応は?
ぶんぶんゴマ という単語を聞いてもピンと来ていないようでしたが、実物を見ると昔のことをたくさん話してくださる利用者様もいて、楽しんでもらえているようでした。
昔語りに楽しみを見つける方、絵を書くことに楽しみを見つける方、コマを回すことに楽しみを見つける方など、一人ひとりその方なりの楽しみ方をしてくださっていました。
昔やった遊びは、童心にかえったり、昔工夫した点を思い出したりと、利用者様が積極的に色々取り組んでくださいます。それによって職員も刺激を受けることが出来ました。
そして、しっかりとコマを回して遊んでくださいました。
いつ止めたらいいの~?と、止め方がわからず、聞かれていた方もいましたが・・・。
やっぱり年配の方は色々経験していて学ばせていただくことが多いですね。
かもめも年をとった時にこのように在りたいです。
最後に
今の子供達は、自分で作った遊びをすることがあるのでしょうか?と少々疑問に感じたかもめでした。
デジタルネイティブ世代は自作すると言っても、パソコンでなにかを作ったりすることが多いのかもしれませんが、実際に自分の手を動かして、ものが出来上がっていくことはとても楽しいです。
人間だけが道具を使える便利さや楽しさを知っているという特権を活かして、どんどん面白いものを作っていこうと思います!
さあ、レッツトライ!